KAWANOJI一級建築士事務所

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Machiya in Higashi-Muroran

東室蘭の町家Machiya in Higashi-Muroran

ギャラリーの余白がもたらす伸びやかな空間

Category:
,
/ Place:
北海道室蘭市
/ Completion year:
2011

概要Description

Photo
クスミエリカ
掲載
「リプラン北海道 vol.95 2012冬春号」

約築25年の木造2階建て住宅のリノベーションです。

私の実家であり、両親と犬猫たちが暮らす家です。
子どもたちの独立により不要となった個室を減築し平屋にしたいという相談から設計をスタートしました。

設計に際し、両親の生活の様子を細かく見なおすと、長い年月をかけて集めた絵本や、趣味で作った小物などが箱に収納されたままになってしまっていることや、最初は保護した1匹の愛犬が、徐々に仲間が増え愛猫5匹が加わり、お互いの生活が混沌としてしまっている等の課題が見えてきました。

また、海に近く湿度が高い土地柄もあり、湿気や結露に悩まされていました。

減築をすると建物の外形や構造に手を加えることとなり大きなコストがかかります。

そこで、減築ではなく外形や構造はそのままとし、使いようがなくなった個室を自由に使える空間にリノベしてはどうか、と提案させてもらいました。
その自由な空間というのが「ギャラリー」の愛称で呼ばれている空間です。

そこには、大好きな絵本がいつでも手に取れるように置かれ、趣味の作品たちも日の目を見て楽しげに飾られています。

寝室の隣には愛猫の部屋を新設し生活動線を整理しました。
元々はキッチンがあった部分で、給排水と換気設備を再活用することで掃除等を容易にしています。

リビング上部にあった2階の1室を吹抜に変更し、採光と通風が建物の隅々にまで行き渡るようにしました。
湿気や結露の問題がすっかり解決できました。

リノベーションをきっかけに孫たちも良く遊びに来るようになり、両親は以前にも増して生き生きしたように感じています。