KAWANOJI一級建築士事務所

© KAWANOJI.

House in Okhotsk

オホーツクの家House in Okhotsk

オホーツク海と知床連山を望む漁師兼画家の住まい

Category:
,
/ Place:
北海道網走市
/ Completion year:
2016

概要Description

用途
新築・住宅
所在地
北海道網走市
竣工年
2016年
Photo
KEN五島
掲載
「住まいの提案北海道 2016 vol.47春号」

「オホーツクの家」は、オホーツク海と知床連山を望むことができる海辺に建つ、30代ご家族のための住宅です。“この景色を望みながら暮らしたい”というのが、施主の一番の要望でした。

施主は、夏は漁師、冬は画家を生業として暮らしています。冬のオホーツク海と言えば、“流氷”が有名ですが、その流氷に海が覆われるため、漁をすることができません。よって、冬は別の仕事を持つ方も多く、例えばカフェのマスターや薬剤師などをされる方もいます。

自然現象によって自分の仕事まで変わってしまうほど、この地の気候風土と共に暮らしているということです。設計する住宅も、施主の暮らしや、この地の気候風土と共にあるようなものでありたいと思いました。

設計は、海と連山を望むL字窓と窓辺のカウンターが描かれた、施主による1枚のスケッチから始まりました。漁での汚れを落としてから生活空間に入る必要があるため、ガレージ→水回り→生活空間という並びに配置し、それらを緩やかな螺旋状のスロープで立体的に繋いでいます。

漁は早朝に出るため、家族間の生活時間の違いを考慮し、寝室は半地下に配置し他の室と距離を取っています。スロープは半地下から屋上まで連続しており、空間を緩やかに繋ぐと共に、光や風も届けてくれます。

施主の”暮らし”や”気候風土”といった”当たり前のこと”を大切にし、素直に向き合うことで生まれたのが、この「オホーツクの家」なのです。